

SAFETY ON THE GROUND
-Flight Safety Australia 2003 Mar-Apr (pdf)-

今日の航空機で「手動スタート」できる機体も少ないが、オーストラリアで実際に手動スタートを行いあわ行く大きな事故になりそうになった事件をご紹介。
事件は、昨年あるオーストリアの空港で起きた。
セスナC182の自家用機オーナーが子供3人を機内に残し、手動スタートを試みた。
オーナーはエンジンスタート後、コックピットに飛び乗るはずだったが、機体はパイロットであるオーナーを地上に残し、3人の子供達を乗せたまま自走を開始した。
彼はあわてて自走する機体を追いかけた。
機体はメトロ2に激突する直前に運良く駐機してあるセスナ402に接触。
辛うじて減速したおかげでオーナーも機体に追いつき、なんとか停止させることができた。
幸いにして子供らも無傷であった。
この件は手動にてプロペラを回しスタートさせることがいかに危険であるかを証明してる。
まず第一に、現代の航空機は、構造上手動スタートをするように設計されてないことである。
航空学校のボブ・テイト氏によると手動スタートは非常に危険をはらんだ状況と語りながら次のように述べている。
地上で手動スタートさせると、プロペラが逆回転する可能性がある。
手でプロペラをつかみ正方向に回転させた場合、プロペラは多少ではあるが逆方向に跳ね返ろうとして反回転することも考えられる。
ボブ曰く、「手でつかんでいる部分のプロペラ後縁部は非常にするどく尖り、軟弱な地上で手動スタートさせることは機体のバランスを崩し危険である。」と警告している。
彼に言わせれば、プロペラというのは「弾丸を装填した銃」と表現している。
エンジン手動による始動スイッチのメカニズムは「マグネト」にある。
マグネトは安全に設計されていない。
仮にスイッチのシステムが故障すると、地上で駐機している状態でもマグネトは動き続ける。
マグネトは電流を確実に地上へ逃がし、安全に停止されなければならないが、アース・システムが故障した場合、電流が地上に放電できなくなり、電流はハーネスを通りスパークを引き起こす。
彼が強調するのは、パイロットがイグニッション・システムの故障に気がつかないことを指摘している。
キーを回し「オン」もしくは「オフ」のポジションにしてみても、アース・ワイヤーが正常に働いているとは限らないため、マグネトはいつも生きてる危険性がある。
パイロットが手動でエンジンをスタートさせる時、発電機が停止し電流が供給されてなくとも、エンジンはマグネトにより動き続ける。電気出力が存在せず全く危険な状態でがない限り、パイロットは手動スタートが行えない。
おわり
[地上の安全性 〜プロペラによるエンジン始動〜]